認知症の主な種類
認知症の家族のための建物内・室内の工夫
認知症家族の身体ケア用品
福祉用具
- 認知症の主な種類
- 認知症はおおむね次の種類に分けられるとされています。 (河野和彦(監修)『ぜんぶわかる認知症の事典』成美堂出版,2017,p.12-15,
28-29, 48-49.)
〇アルツハイマー型認知症(Alzheimer-type dementia)
記憶に関わる海馬の神経細胞が変性するため、高度な記憶障害が起こりやすくなります。
〇レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies)
認知機能の低下とともに、実際にはないものがみえる幻視(げんし)や、運動障害が現れます。
〇脳血管性認知症(vascular dementia)
脳の血管障害(脳血管が詰まる脳梗塞、脳血管が破れる脳出血など)がもとで起こる認知症の総称です。「まだら認知症」ともよばれています。アルツハイマー型と異なり新しいことを覚える記銘力は保たれているものの、自発性の低下(アパシー)や異常行動、幻覚などが現れやすいとされています。
筆者の親の場合は、循環器内科に通院(高血圧症)していたところ、まだら認知症の症状がみられるとの診断に至り、次第に近時記憶障害(最近の記憶の障害)、時間の見当識障害、記憶障害、失禁、と進行していきました。終末期には、アルツハイマー型とレビー小体型の認知症の症状も発症するようになりました(処方薬からの推定。)。
〇前頭側頭葉型変性症(frontotemporal lobar degeneration)
前頭葉と側頭葉前部の神経細胞が変性する疾患群で、人格変化や反社会的行動が現れる前頭側頭型認知症が多いとされています。また、言葉の意味が理解できなくなる「意味性認知症」、発語障害が特徴の「進行性非流暢性失語」なども含 まれるとされています。
- 認知症の家族のための建物内・室内の工夫
- 〇フローリング
認知症家族の部屋が畳敷きのときは、衛生環境の向上のため、フローリングも一考です。
〇手すり
歩く際の危険を軽減させるため、手すりを増設。
〇スロープ
部屋と部屋の間に段差があるときは、スロープ板(ホームセンターなどで購入できます。)などを付けて安全に移動できるようにします。
〇冷蔵庫ドア、衣類乾燥機ドア
認知症が進行した場合には、冷蔵庫ロック、チャイルドロックを冷蔵庫や衣類乾燥機に取り付けて、開けられないようにします。
〇ガスコンロ
ガスコンロの元栓(もとせん)にカギロックを付けます。
〇電子レンジ、トースターなど
それぞれ撤去するか、または、手の届かないところに置きます。
〇ホームヘルパー対応(家族不在時)
玄関用キーボックス
- 認知症家族の身体ケア用品
- 〇褥瘡(じょくそう)対応
・ 医療用不織布ガーゼ 30cmx30cm以上のもの
〇排便等対応
・ おむつが臭わない袋 LLサイズ(大人用)
・ おしりふき 20cmx25cm以上のもの(おしりふき以外の用途でも活用できますので、可能な限り大きなものを)
・ ペットボトル 介護ヘルパー、看護師等が患者の身体の拭き取りに使用します。
〇失禁等悪臭対応
・ 業務用超強力消臭剤(スーパーマーケットやドラッグストアで扱っているものでは効果がなく、最終的に特殊清掃業務などで使用するものにしました。)
- 福祉用具
- 要介護2~5の方については、車いす、特殊寝台(介護用ベッド)、特殊寝台附属品(サイドレール、マットレス、ベッド用手すり、テーブルなど)、床ずれ防止用具などはレンタルすることができます。居宅介護支援事業所(主任ケアマネジャー)を通じて福祉用具貸与事業所にご依頼ください。
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